群馬県 板倉町 雷電神社 天災除けと「なまずさん」

群馬県 板倉町。

関東平野の北部、北は渡良瀬川、南は利根川の河川低地に挟まれた邑楽台地の東端に、雷電神社の総本社があります。

雷電神社の創建は、聖徳太子によるものとのこと。

聖徳太子は、日本の飛鳥時代に生きた、奈良県明日香村に都(飛鳥京)が置かれていた時代の人物です。

関東に来た由来はありませんので、摂政を行う中での各地への創建に携わったのではないでしょうか。

雷神となまずさんを祀っている

雷電神社の御祭神は①「火雷大神(ほのいかづちのおおかみ)」②「大雷大神(おおいかづちのおおかみ)」③「別雷大神(わけいかづちのおおかみ)」

①火雷大神
黄泉国(よみのくに)で伊弉冉尊(いざなみのみこと)の遺体に生じた8種の雷神のうちの1神。また「山城国風土記」逸文では、玉依日売(たまよりひめ)が川上から流れてきた丹塗矢(にぬりや)によってはらみ、賀茂別雷命(かもわけいかずちのみこと)を生むが、この丹塗矢が火雷神であるという。

②大雷大神

黄泉国で腐敗した伊耶那美神の体に成っていた八雷神(大雷・火雷・黒雷・析雷・若雷・土雷・鳴雷・伏雷)の一で、頭にいた雷神。

③別雷大神

雷を別けるほど力の強い神。

雷の神様をお祀りしていますが、雷電神社は「なまずさん」もお祀りしているので、天災を除け鎮める御利益もあるのかも知れません。

雷電神社の参道入口は本殿南数百mにある

雷電神社の駐車場は、本殿裏から徒歩で数分以内に2か所、併せて50台以上は停められる場所があります。

ですが、神社の参道入口は、本殿から約500mほど南の通りに面したところにあります。

参道入口には鳥居はなく、雷電神社の参道を示す石標があるのみです。

ですが、地図上で見ると、その参道は一直線に通りの合流し、約300mほど南の「板倉」T字路交差点まで伸びているように見えます。元々の本来の参道の入口は、この「板倉」T字路であったのかも知れません。

↑写真の赤矢印先端が、元の参道の起点か

冒頭で書いたように、雷電神社のある場所は少し高みのある台地で、西方を除き北、東、南は河川の流れる低地です。現在のように渡良瀬、利根の両河川とも堤防などなく、水害の頻発する近年よりも周辺は更に氾濫が多かったのではと思います。

雷電神社 - Wikipedia

関東地方に数多くある「雷電神社」の総本社で、徳川綱吉が手厚く普請した

ウィキペディアで雷電神社を見ると、その殆どが関東地方です。総本社が群馬県板倉町にあるので自然なことではありますが、それだけでなく、ほぼ全てが山間部ではなく平野部に存在しています。

これは雷電神社が主に水害を対象として天災に御利益があるとされたからだと思われます。

また、前述の土地の性格上、度々水害に見舞われていたが、徳川幕府第五代将軍である「徳川綱吉」が将軍職に就く前、館林藩主であった頃に社殿を再建し、徳川紋(葵紋)の使用を許したとあります。

関東地方はご存じの通り日本一の平野。広大な農地が広がる場所です。

大きな水害があれば作られる農産物が被害を受け、食糧不足となれば世は不安定になり、幕府も対応に迫られるでしょう。

徳川家康が天下人・豊臣秀吉によって江戸を拠点として関東を治める事となり、以後、歴々の将軍により関東の治水工事が行われます。

徳川により治水が行われたのは主に4河川。

日本で最も広い流域面積が広い、ほぼ群馬県全域から幾つもの支流の水を集める利根川。利根川の支流の一つ渡良瀬川。栃木県の多くの地域を水系に含む鬼怒川。秩父に源流を発する荒川。

うち利根川と渡良瀬川は、群馬県東部に中流域があり、この周辺に水害を多く発しました。

この地域のすぐそばにある館林藩主をしていた徳川綱吉とすれば、この水害を鎮めるため、雷電神社を普請するのはごく自然な事に思います。

面白く珍しいものでは、写真手前の「厄割玉」というものがあります。

授与後、地面に置かれている専用の直径50cmほどの器に、願をかけて投げ入れて割る、というものです。

境内にはいろいろな神様の像が祀られています。

本殿の彫刻が見事

拝殿の奥、本殿の彫刻です。

細かな彫刻と、鮮やかな色彩が塗られています。

江戸時代の名工として名高い、左甚五郎を祖と仰ぐ10代目彫刻師「石原常八主信」という人物の作とのことです。見事です。

後に将軍になり、その以前に館林藩主であった「徳川綱吉」により社殿は再建されたため、その後も手厚く保全がなされました。

雷電神社 奥宮です。

本殿の裏にありますが、参拝する人は少なめかも知れません。

本殿の雷神・天災を鎮める御祭神とは異なり安産・家内円満・縁結びなど安定を司る女神「伊邪那美命」を祀っています。

質素な建築様式で、本殿の裏手にあるため、目につきにくいのですが、案内にあるように群馬県内の神社様式では、最古の建築です。

雷電神社には神馬社が二つあります。こちらは奥宮の東側にある神馬社。

こちらの神馬社は、奥宮の西側にあります。

どちらの神馬社も、建屋に近づけば格子窓から中の神馬を見ることができます。

神社裏の駐車場の道路を渡ると嵐電神社の社務所があります。

「なまずさん」は社務所に鎮座

この社務所に「なまずさん」が鎮座しています。

「なまずさん」は、社務所の縁側に、専用の座布団にいます。

撫でると地震を除け元気回復、視力改善、自信が湧き出るなどの御利益があると言われています(雷電神社HPより)

縁側のやや奥に鎮座しているので、撫でるには、縁側に近づき片手を付く必要があります。

「なまずさん」はこの土地で大切にされてきた魚でもあります。想いを込め、やさしく触れてください。

雷電神社 総本宮

御祭神    ①火雷大神(ほのいかづちのおおかみ)

       ②大雷大神(おおいかづちのおおかみ)

       ③別雷大神(わけいかづちのおおかみ)

御利益    雷除け、方位除け、豊作、天災除け、安産、家内安全、縁結び等

お守り    あり 珍しいものとして「厄割玉(本文参照)」

御朱印    あり 

参拝者数   やや多め

参拝所要時間 約45分

駐車場    あり 本殿裏徒歩5分以内に2か所 計50台以上     

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