
栃木県 佐野市 出流原。
栃木県内で2か所、環境省に選定された名水百選のうちの1か所である「出流原弁天池湧水」の傍に、藤原秀郷が勧請したとされる「磯山弁財天」があります。
「磯山弁財天」は、通称「弁天様」と呼ばれ、地元の人々に親しまれています。
弁財天の造りは「懸造」と呼ばれ、京都の清水寺などで見られる造りです。岩場の斜面に、釘は使われずに建てられています。

弁財天入口。

入口を入ると右側に、弁財天周辺の古絵図が掲示されています。
説明には、元彦根藩家老を務めた岡本黄石が明治25年にこの地を訪れた際に書いたという。
現在の弁財天と異なるところは、絵図手前の「三ノ池」が現在は、養殖池として利用されているところや、絵図では弁財天の左側から下に降りる階段が描かれているが、現在は草木に埋もれてしまっているのか、見当たらない。その左側にある「雷電宮」も、今現在はなく、弁財天よりも少し山を登った位置に祀られている。周囲に存在する水田らしき土地も、現在は住宅が建てられています。

その隣には、かつてこの付近を走っていたという「赤見軽便鉄道」の記事が出ています。

その隣にはおみくじがあります。
この出流原弁財天は、社務所などはないので、お守りも売られていません。

すぐに入口の山門があります。

山門を潜ってすぐ左側に、風穴同があります。
この風穴の中から吹いている風は、年間を通して一定の温度で概ね10℃前後位のため、夏は涼しく感じられます。

風穴洞から上を見上げると、弁財天を祀る懸造の建物が見えます。

弁財天までは階段の道が続きますが、それほど長くはありません。

階段の途中には鐘楼があり、お賽銭を入れて撞く事ができます。

さらに上ると、手水があります。
この場所からは、左の階段を上ると弁財天、直進方向へ行くと小さなお社の三峰神社、右へは下の写真の銭洗い弁天に行きます。

銭洗い弁天は、参道を右に折れて10mほどです。
左の岩屋は、かつてはこの傍にある石灰採掘の発破に備えた、避難のための岩屋でしたが、石灰採掘は数十年前に行われなくなったため、そのあとにお社に改修されました。

銭洗い弁天を左に折れると、もう弁財天まではすぐです。
ここからだと、懸造になっているのがよく解ります。

到着すると、すぐ右側に白蛇様のモニュメントが置かれています。

白蛇様についての由緒です。
これによれば、この白蛇様のモニュメントの自分が希望する箇所をさする事で、より幸運が訪れるということです。
白蛇様には神々しいイメージがあり、触れる事がためらわれますが、お試しいただくと良いかと思います。

弁財天1階の入口付近から奥を見ています。右側の岩場にあわせて建物が建てられているのが解りますね。



そして、この弁財天には、右側の岩場に、写真のような裂け目(風穴洞)があります。
写真は暗いですが、明るい日中なら、ある程度の奥が目視でき、深さは3~4mほどあり、そこから水平方向に奥へ4~5mほどの位置に、男性象徴の石の彫像が置かれていたかと思います。
風穴は、その更に奥へと続いているように見えます。

弁財天の入口の反対側は、欄干の無い部分があり、階下を除くと、岩場に建てられた懸造の様子がわかります。
また、木組みの奥に、1階から下に延びる勾配の急な階段があるのも見て取れます。
数十年前までは、1階から、階段を登り建物の2階に登る事ができました。ですが、下へ降りる事は出来ませんでした。
ですが、地元の人の話では、更に昔には、階段で下へ降りる事も出来たといいます。
今は、階段へ入る扉に施錠がされ、下へも上へも行けなくなっていますが、これは恐らく、この弁財天及び弁天池がパワースポットとして認知されるようになり、訪れる人が多くなったからだと思います。
ここから、山の斜面に降りる事もできますが、道などはありません。
登り口にある古絵図には、弁財天の東側に延びる道のほかに、西側にも階段のような道が描かれているので、かつては道が存在したのかも知れませんが、今は草木に覆われ、何の痕跡も見いだせず、ルートの見当もつかなくなっています。

建物の階段室へ入る扉。前述したとおり、施錠されており立ち入る事はできません。


弁財天からは、遠方まで見渡す事が出来ます。

弁財天の登り口の左側にある、地蔵尊です。

地蔵尊の隣にある、白蛇様をかたどった像のある小池。

弁財天の傍には、環境省指定の「日本名水百選」に選定された弁天湧水池があります。とても透明度があり、清らかな、鯉の泳いでいる池です。

弁天池の向かい側には、ホテル一乃館があり、その1階はレストランになっていて、食事をする事ができます。
御祭神 紹介されていないが、弁財天といえば市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)であ ろうか。ほか境内には、登り口の隣に磯山地蔵尊、弁財天より上の山の斜面に場所に三峰神社や雷電神社、弁天池のほとりに温泉神社などがある
御利益 市杵島姫命の御利益には、交通安全、開運厄除、商売繁盛、財福、技芸上達、学問成就などがある
お守り なし
御朱印 弁財天の道向かいにある「ホテル一乃館」にて頂ける。他に木札や絵馬などがあります
参拝者数 普段は少なめ 休日は多い
参拝所要時間 約45分
駐車場 あり 山門の隣に4台 山門手前30m付近の専用駐車場に10台程度
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