栃木県 佐野市 田中正造 足尾銅山鉱毒事件 天皇に直訴 生家が現存

栃木県 佐野市。

足尾銅山の鉱毒事件で天皇に直訴し、洪水の多かった渡良瀬川の遊水地を作るにあたり、谷中村が水没するため住民と共に反対するなど、政治家でありながら自ら体を張って運動を行った人物。田中正造の生家と、5つに分骨された墓の一つが、ここにあります。

田中正造 - Wikipedia

佐野市小中町に生まれた正造は、農家の出身でしたが、若いころから政治活動を行っていました。

ここ正造の生家を管理している人の話によれば、負けず嫌いで意志の強い人物だったそうです。

正造の生家の前には、写真のような標識があります。

そして、正造の生家の道を挟み向かい側には、前述した正造の5つに分骨された墓の一つがあります。

正造の墓についての説明と、正造に関する資料を保管展示している「佐野市郷土博物館」の案内図。

正造の墓の一つ。正造の生前、墓は村民による計画では、やや土を持った塚のような形式でしたが、土盛りは少なくなり、質素な墓を望んだ正造の意志を汲む形に、図らずもなったようです。

墓石に刻まれた正造の座姿。

正造の墓石は近くまで行き、木戸を開けてお賽銭をあげられます。

地図上に「阿弥陀堂」と記された建物には、右と左にそれぞれ「牛皮山」「薬師堂」との木板が掲げられています。

「牛皮山(ぎゅうひざん)」とは、京都市山科区にある真言宗善通寺派の寺院「随心院」を総本山とする寺の山号です。

「薬師堂」とは、病気平癒に御利益のある「薬師如来」を本尊としている場合が多いが、必ずしもそうでない場合もあるとのこと。この薬師堂は防犯のために施錠されており、ガラス戸をから中を見る事ができますが距離があり本尊については良く見る事は難しかったです。

正造の墓と薬師堂のある建物の傍に、駐車場があります。

駐車場から、正造の生家を見ます(入口の前に人が写ってしまったのでぼかしてあります)。

道路から見えるこの建物は、1階に管理事務室のほか見学スペース、2階も見学ができます。写真では2階の雨戸は閉まっていますが、見学時に開けていただけます。建物の造は、明治期の建物であることもあり、天井が低く176cmほどです。

管理人さんによれば、実際にここの2階で、正造夫妻が寝起きしていたそうです。学校の教科書にも掲載される人物ですが、質素な生活をしていたことが想像できます。

正造の生家は、道路から見えるこの建物だけでなく、奥行きのある敷地の先には、他に平屋建ての母屋と、白壁の二階建ての蔵が現存しています。

特に、敷地の中央にある平屋建ての母屋は、太い梁が使われている、立派な造りになっていて、外からも、中にある囲炉裏のある今も、趣を感じるものだと思います。

道路に面した二階屋についての説明板。正造が両親のための隠居所として建てたものですが、実際の所は、詳細に案内と説明をしてくれた管理人さんの話では、敷地中央の平屋は、正造自身は使わず、当時村に居なかった医者を呼び、ここに住んでもらっていたそうです。

正造は前述の通り、両親の為に建てた隠居所に、一緒に住んでいたそうです。

入場料はリーズナブルに設定されていて、大人でも300円、小中高生は無料となっています。

隠居所1階の管理人事務室の傍には、正造の写真や、肖像画、パンフレットが置かれ、記念品も売られています。

他に年表もあり、あまり知られていない、髭を生やした晩年以前の、正造の若い頃の写真なども見ることが出来ます。個人的には、若い頃の写真の方が凛々しくて良いのにな・・・、と思いました。

隠居所を出ると、道路側からは目にする事の出来ない、母屋があります。

この母屋は、歴史的建造物を前面に出している街並みや、観光地に行けば目にする事の出来るものですが、この近辺の地域では希少な建物で、とても趣のある造りになっています。

長く前に出た庇、その下の縁側、陽気の良い日は、ここでのんびりと過ごしたいと思えるような、落ち着ける建物です。

母屋の入口を入ると土間があり、土間のすぐ上には居間があり、囲炉裏がありました。往時はここで実際に囲炉裏を囲み食事をしたのでしょう。居心地のいい空間です。

田中正造の分骨地が写真で紹介されています。うち2か所は、正造生誕地でもある佐野市内にあります。

写真の①はここ生家の向かい側に、②の春日岡山惣宗寺とは、有名な「佐野厄除大師」と同一の寺です。

また、正造の分骨地は、この5か所の他に、1989年に公開された6か所目の墓が、隣の足利市にあります。1989年に公開された6か所目の分骨地・壽徳寺で守られ続けてきました。

田中正造 - Wikipedia

母屋の更に奥には、写真の蔵があり、扉を開けて中に入り、蔵の内部を見る事が出来ます。

蔵の中は、昔の農機具が、往時の状態のまま置かれているように見えました。理由はわかりませんが、特に片づけや掃除などもされず、埃にまみれ、そのままです。

田中正造 生家

見学者数   少ない

見学所要時間 約60分

駐車場    正造生家の道を挟んだ向かい側に15台程度  

道路に面した隠居所に管理スペースや書籍展示あり

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