栃木県足利市名草というところの山の奥に、大きな岩が折り重なる巨石群と、その岩の上に建てられた神社があります。
名草厳島神社。
弘法大師空海が勧請
弘安年間に弘法大師空海によって勧請された神社で、御祭神は「市杵嶋姫命」。
境内には重なる巨石の下を潜る「胎内潜り」があり「子宝・安産祈願」の御利益でも知られています。
5月の週末、良く晴れた日伺いましたが、神社鳥居の手前に整備された10台ほど停められる砂利の駐車場には車は1台のみでした。
鳥居に下には「一般車進入禁止」の低い柵が置かれているので、ここからは車道を歩いて行きます。
車道の傍には名草川の支流が流れ、せせらぎの音が絶えず聞こえるので、心地よいです。
500mほど歩くと、車道は終わり緩やかな階段になります。ここも道の脇を渓流が傍を流れているので、常にマイナスイオンを感じられます。
弁慶の割石
階段の道を200mほど登ると、古びた休憩舎が現れ、その上に、小さな水門で堰き止められ、石で囲われた広さ6畳ほどの池があり、その中に「弁慶の割石」と名付けられた、真っ二つに割れている大石があります。確かに3m大の大岩が上から土中まで綺麗に一直線に割れています。
胎内くぐり
そこを過ぎると、目の前の左右に巨大な石が現れます。
左側には10m近い高さの大岩の下を潜る事の出来る「胎内くぐり」があります。
「体内くぐり」の通路は大人が屈んでようやく通れるほどの大きさで、大雨の後などはこの胎内くぐりの通路に流れている小川の水量が増えるため、通過するのは難しくなったりします。
ここを通り抜ける事で子宝や安産の御利益があるとされています。
「胎内くぐり」は、入口は薄暗く、出口は狭く大人が屈んでようやく通れるほどですが、長さは10m未満なので、すぐに抜けられます。
但し、大雨の後は、水がたくさん流れているかも知れないので、その場合はご注意ください。
「胎内くぐり」を通過すると、神社社殿が建てられている大岩のたもとに出るので、階段を上り社殿へお参りをします。
巨石の上に建てられた社殿
社殿は、大きな岩の上に建てられています。
社殿からは、社殿が建てられた大岩と、先に通過した胎内くぐりの大岩とを結ぶ、写真のような赤い橋が架けられ、渡る事が出来ます。見ての通りこの橋の欄干は低いので、渡る際には注意が要ります。
橋の上からは、せせらぎから引かれた水が岩の上を流れるさまを見られます。この岩もとても大きい。
橋を渡ると、せせらぎの上流へと向かう道が続きます。
このせせらぎ、良く見ると・・・
雲母の沈殿する川
流れの下に沈殿した「雲母」と呼ばれる鉱物の一種が含まれており、キラキラと光る様子が見て取れます。この名草厳島神社、金運のパワースポットとしても知られています。
更に登っていくと、巨岩が折り重なる場所に着きます。
調べるとこの岩はすべて、花崗岩で出来ており、丸みを帯びていますが、この場所で風化して出来上がったものとのことです。(名草巨石群 成り立ち)
栃木県足利市では、唯一の国指定天然記念物とのこと。とても珍しいものなんですね。
確かに私の知る限り、このような岩が折り重なる場所は、近県でもみた事はありません。
地中にどの程度まで、この岩石群が埋まっているのか・・・。
因みに、この巨岩の場所へは、名草厳島神社の鳥居の前の道を登っていくと、自動車でも近くまで行く事ができますが、個人的には、鳥居の傍に車を停めて歩いていくのが好きです。
森林の中を、渓流の傍のなだらかな道を自分の足で歩いて行くのは、とても気分が良いです。
自然と、この社の歴史と、創設した人々の心を、五感で感じながら、参る事をお勧めします。
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