栃木県佐野市にある、年末年始はテレビCMでお馴染みの「佐野厄除大師」。
多くの人は、この厄除け大師に、厄払いのために訪れます。なので、本題から少し逸れますが、はじめに祈祷料の違いについてお伝えしておこうと思います。
祈祷料による違い
元日などの祈祷の受付は、夜間から人が並び、受付してから祈祷を受けるまで、1時間以上かかる場合もあります。また、祈祷を受けるときの人の数も、寺の伽藍に人がいっぱいに入り、100人以上が同時に行います。
個人の祈祷を受けるにあたっての祈祷料は「3000円」「5000円」「10000円」の3種類がありますが、これは寺のご住職が祈りを捧げてくれる頻度に違いがあり、金額の少ない方から「月に1回」「週に1回」「日に1回」となっています。つまり、1万円で祈祷のお願いをすると、毎日お祈り頂けるという事になります。ですので、個人的には祈祷をして頂くのなら、1万円をお納めするのが良いかと思います。
屋根瓦には「徳川葵紋」がある理由
ここを訪れる人は皆気付いているかと思いますが、厄除け大師の屋根瓦には、徳川の葵紋が付いています。そして、境内の北東には、小さいな佐野がら「佐野東照宮」があります。
一般にはあまり知られていませんが、徳川家康が亡くなり、その遺骸が日光山(現在の日光東照宮)に運ばれる道中に、家康公神棺(霊柩)とその一行が佐野厄除大師に宿泊をしています(駿府を発った後の宿泊地:富士市ー三島市ー小田原市ー平塚市ー府中市ー川越市ー行田市ー佐野市ー鹿沼市)。佐野厄除大師の屋根には徳川葵紋があり、境内に佐野東照宮があるのは、そのためです。(※家康公遺骸の在処についてはいくつもの説があり、発掘もなされていないため確かではありません)
佐野東照宮がある
その後、佐野厄除大師の正門前には「家康公神棺宿泊記念碑」と「佐野東照宮」が造営されました。本堂を右へ行き、お守り売り場を過ぎて左の方にあるのが、佐野東照宮です。
厄除大師の正門前にある大きな碑。何も案内や標示はありませんが、これが「家康公神棺宿泊記念碑」と名付けられている碑です。
残念なことに一般には殆ど認識されていませんが、以前出された事のある地域の史書に、識者によって記載された事もある確かなものです。
碑はとても大きく、刻まれている文字は漢字でとても小さく、読むのは困難です。碑について何も標示されていないのは、個人的にはとても残念に思います。
家康公神棺が日光へ行く時の経由地については、境内ではまったく触れられていません。屋根瓦に徳川葵紋が大きく載せられているので、その説明を加えても良いように個人的には思うところです。
家康公神棺が江戸から日光へ運ばれる道中で宿泊した場所は、信頼の置ける所に限られるはず。その選ばれた場所についての標示がなされれば、より重要な所であったとの認識が広く一般にもなされるのであろうと想像できます。
神棺(霊柩)が宿泊した他の地についても、全て東照宮が造営されています。東照宮は各地にあると認識していただく良い機会だと思っています。
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